@article{oai:kitakyu.repo.nii.ac.jp:00000764, author = {中井, 遼}, issue = {18}, journal = {北九州市立大学国際論集}, month = {Mar}, note = {欧州における右翼政党台頭や反移民態度の問題は2010年代後半の欧州政治の一つの重大トピックとなっている。右翼政党支持や反移民態度の規程要因については,これまでも多くの先行研究が知見を蓄積してきた。しかし,欧州難民危機以降の社会状況でも同様の要因が有効であるかは明らかではない。2019年に二つの欧州大の世論調査の先行公開データがリリースされ(特に欧州価値観調査[EVS]はおよそ10年ぶりの更新),2010年代後半のデータによる分析が可能となった。そこで本稿ではこれら2つの世論調査先行リリースデータを用い,近年の欧州における右翼政党支持や反移民態度などの排外主義態度の規定要因を分析する。分析結果は,主に次の3点を明らかにした。1)右翼政党支持は,移民による自国文化・治安への侵蝕といった社会文化的態度と欧州統合への反感によって規定されており,ジャーナリスティックに論じられがちな社会経済的弱者による反発という見解に実証的根拠は存在しない;2)移民による自国文化・治安への侵蝕の懸念は,欧州統合への反発と学歴が主たる規定要因となっており,国によっては自国政治への不信・不満が追加要因となっている;3)右翼政党支持・移民文化侵蝕懸念・欧州統合反対のトライアングル構造は西欧主要国においては盤石なものの,必ずしも欧州全体で支配的なパターンではない。これらの結果は,ポスト難民危機期の欧州における排外主義分析にリテラチュアが有効であること,ならびに,社会経済的な「上か下か」のみに着目していては欧州における排外主義台頭の背景を分析できずより多様な政治意識への考慮が必要であることを示す。その際,さらに多様で包括的な排外主義構造の理解のために,少数の西欧主要国にとどまらない分析・研究が必要であることが示唆される。}, pages = {43--72}, title = {欧州におけるポスト難民危機期の排外意識分析--右翼政党支持・反移民態度・反欧州統合}, year = {2020} }